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2017年3月

2017年3月26日 (日)

Windows Mobileしんでしまうん?

最近、 Windows 10 Mobileを採用していたスマホが、 新モデルではAndroidに鞍替えしていた、 ということが立て続けに2件ありました。

で、「やっぱりねー」みたいな雰囲気を感じるので、 私の見るところなど書こうと思います。 状況は厳しいけど、まだ終わる状況じゃないと思ってます。 ただ、結果的に「空白期間」が生じてしまっているので、 もっとうまく立ち回れないもんですかねえ、 というような話。

なお、これは私がニュース等を見てて個人的に思ったことを書いています。 勤務先はスマートフォンに関連している部署もありますが、 私はそことはほとんど関係ないし(というか関係あったら勝手なこと書けない)。

話は2016年始めの頃から。

2016年始めの時点

あれは2016年の始めだったか。 「Microsoftはスマホを諦めている。はやくそれを公式に認めるべき」みたいな記事が海外で出てました(ちょっと検索してみたけど、探し出せなかった)。 まあ、苦戦しているのは確かだけど、 現在進行形で戦略遂行中で、 次の施策もまだある状況で「諦めてる」と決めつけるのはひどいなあ、と思った憶えがあります。

この頃、 前の年にリリースしたWindows 10をやっとこさでスマホにもロールアウトしたところでした。 これにより、 PCもスマホもその他デバイスも、 Windows系デバイスは「Windows 10」というプラットフォームで統一され、 同じプログラミングモデル(UWP)アプリを書けるようになりました。

で、次の施策は以下だと見られていました。

  • アプリの拡充支援
  • Surface Phone

アプリの拡充支援策としては、例えばAndroidやiOS向けアプリを簡単に向けに移植する「ブリッジ」を提供しようとしていました。 が、結果としてはあまりうまくいっているように見えません。 「Windows Bridge for Android」はキャンセルされました。 「Windows Bridge for iOS」(現在v0.2)は開発が続いていますが、「使った!」という話をまだあまり聞きません。 まあ、アプリ拡充は今となってはWindows 10 MobileだけでなくUWP全体の問題になるので、 この点についてはWindows 10 Mobileの動向がどうあろうともMicrosoftは頑張ってくれるでしょう。

一方、Surface Phoneは、公式にはMicrosoftは発表していません(開発していることは認めているんだっけ?)。 この時点では、PCにおけるSurfaceのように、 新しいコンセプトを提案するようなモデルになると期待されていました。 いや、まあ、今でもそれは同じなんですけど、 登場時期が当初予想されていたより大幅に遅れており、 遅れた結果、もっと切実な問題が起こっていると思います。 これについては次の項で。

2016年夏-秋

2016年夏、MicrosoftはLumiaを作っている元Nokia部門をリストラしました。 また、Lumiaブランドのデバイスの販売を2016年末で終わらせてしまいました。 これは結構衝撃だった。 日本ではLumiaを販売していませんが、 世界的には出荷されているWindows Phone/Windows 10 Mobile機の大多数はLumiaであり、 その「大多数」の供給が無くなるわけだから。

私は、本来この時期にSurface Phoneを出す予定だったのではないかと思っています。 ここでLumiaからSurfaceへのブランド切り替えをする予定だった。 ところが、Surface Phoneが大きく遅れた一方、 Lumiaは次の計画が無いのでラインを継続させておくわけにもいかず、予定通り終了。 おかげで、Windows 10 Mobileは主流となる機種が不在になってしまった。

なぜSurface Phoneが遅れたかは、外部からは知りようがないです。 ただ、以前にわりと信じられていた噂には、 Surface PhoneはIntelのCPUを採用している、というものがありました。 そのため、2016年春のIntelのモバイル向けSoCからの撤退決断はSurface Phoneを直撃し、計画変更を余儀なくされるのでは、 と見る向きもありました。 そう言われてみれば、 冒頭のAndroidに鞍替えした件に関連して、 「今年のSnapDragon 600番台はMicrosoftのWindows 10 Mobileのサポート対象から外れていた」という証言があり、 素人目には「Intelを主力CPUにしようとしてリソースつぎ込み、一方SnapDragonのサポートは絞ってて、あてが外れたんじゃないのかよ」とか疑ったりもするのです。 知らんけど。

で、(再企画したかもしれない)Surface Phoneは(早くとも)2017年秋になるといわれています。 2017年秋といえば、Windows 10のRedstone 3のタイミングです。 Redstone 3といえば、 大きめのアップデートと言われており、 Redstone 2 and Redstone 3 are going to be heavily focused on "innovation around mobile phones."といわれるやつでもあり(ただし、この記事ではSurface Phoneは2017年4月リリースになっている)、 ARM版Windowsの復活であり、 x86エミュレーターが載るわけであり、 このあたりが次のキモだと思うのです。 Surface Phoneにx86エミュレーターが載るかどうかはわからんけど。 素のWindows 10にARM版が復活することで、 よりPC/タブレットとの差が無くなっていく方向に進んでいくんじゃないかな。 ひょっとすると、その先は「Mobile」カテゴリは無くなって、 「Windows 10」でスマホもカバーすることになるかも知れない。

今後の見込み

というわけで、まだ次の計画があるんだから、「諦めた」状況ではないだろう、と思っています。 つい最近もWindows Mobileのプログラムマネージャーの求人しているし

とりあえず、Surface Phone待ちかなあ。 私的には、もうSurface Phoneは「新しいコンセプトを提案してくれるデバイス」ではなく、 「Microsoftがスマホにコミットしていることを宣言するデバイス」として期待を一身に集めております。 本家が主力ブランド(Lumia)を止めて次をどうするか明らかにしていない現状では、 周りもコミットできないでしょう。 でも今年の秋だから、まだ遠い。

何にせよ、 今後の計画の説明なしにLumiaを販売停止すると、「撤退だ!」と思う人もいるでしょうし、 シェアが小さい状況でこんな空白期間ができてしまったらただでさえ心もとないエコシステムが消えてしまいそうで気が気ではありません。 もしSurface Phoneがずるずると伸びると、空白期間はさらに広がっていくことになります。 なんかもうちょっとうまくメッセージとか出せないもんでしょうか。 Microsoftがデバイス出せない状況なのだからパートナー頼みなのに、 パートナーさんに「梯子を外された」とか感じさせてはあかんだろう、と思うのです。 本当にたのんます。

Windows 10 Mobileに将来性はある?

まあ、現状苦しいのは確かだけど、 ぼちぼちスマホ市場の状況も変わりつつあり、 まったく目が無いわけではないと思ってます。

iOSとか、そろそろMacとの関係をどうするんだということが問題になってくるんじゃないかな。 新しいモノを世に出す際には、その目的のために鋭く割り切ったようなモノでなければ認知されることはないでしょうが、 いったんブレイクして色々な人が使い始めると、色々な要求に対応せざるを得なくなり、どんどん肥大化していきます。 iPod/iPhoneはその目的を実現するために後にiOSとなるシステムを作ってそれを活用したわけですが、 iPhoneがブレイクして成長した結果、いいかげんiOSも巨大になっているように見えます。 一方、少なくとも先進国ではスマホが飽和しつつあるようです。 成長が鈍ってくると、iOSとOS Xが「二重投資」に見えてきてきつくなるんじゃないかな。

で、iOSに限らず、 PC的なものとスマホやその他デバイスと、少なくともOSは統合しようぜ、 という流れが出てくるんじゃないかと思っています。 となると、Windows 10で各種デバイスのコード統合が済んでいるWindowsは、システム的には一周回って半歩先んじている状況にならないかな。

まあ、それでもアプリ不足をなんとかする必要はあるし、 優位点が生きる状況にするにはマーケティングが必要だし、 そもそも続けていなければ優位点もへったくれもありませんが。

まとめ

使い続けたいので、なんとか存続してください。 まあ、IS12Tの後、4年放置されたのに比べるとまだ何てことないけど(強がり)。

あと、MADOSMA信じてます。

2017年3月 7日 (火)

OAナガシマのおっさんの話(Visual Studio 20周年記念)

Visual Studioは今年で20周年だそうで、 #MyVSStory などというハッシュタグもできていました。

おおっと思ったので、こんなことを書きました。

で、OAナガシマのおっさんのことをちょっと思い出したので、書き残しておこうかなと思います。 実はそんなによく知らないし、 人柄を表すようなエピソードとかも無いんだけど、 大昔、おっさんを店頭で見かけていた頃の話。

OAナガシマとは

私が沼津に来たのは90年代始めの頃です。 地元の人に「沼津のパソコンショップならここ」と教えてもらったのがOAナガシマでした。 「OAナガシマ」という店名からして、 OA事務機器屋が出自なのでしょう。 (そういえば、当時DOS/V雑誌に怪しげな広告を載せていた「大西ジム」も高砂の商店街の文房具屋(ジム = 事務)でした。何回か行ったことある。今検索したら、まだ元気でやっているらしい)

その頃の店は沢田のバイパス沿いにあり、まあ、いわゆるDOS/Vショップでした。 世界的には、ちょうどPC/AT互換機上でWindowsがブレイクした頃です。 日本ではNECやら富士通やら東芝やらが独自規格のパソコンを出しており、 それらは結局PC/AT互換(いわゆる「DOS/V機」)になっていくのですが、 その時点ではDOS/Vはまだ立ち上がりかけの頃でした。 Windowsが盛り上がっており、海外で面白そうな機器やソフトが出るのに、 日本は独自規格のせいでなかなか利用できない。 Windows 3.1とか、USで発売されてから国内発売されるまで1年以上かかったなあ。 各社版の対応に手間取っている、とかの噂でした(本当かどうかは知らない)。 「鎖国状態」とか言われたりしてましたね。今ならガラパゴスか。 お好きな方はPC/AT互換機を個人輸入したりしてましたが、 そういう「DOS/V」世界の窓口がDOS/Vショップでした。 秋葉原ならたくさん店もあるんでしょうが、 地方なもんで、 近所にOAナガシマがあるのはとてもありがたかった。

なんか、DR-DOS買ったこととか思い出した。 冷やかしのつもりで店番してたおっさんに声をかけたら、 勢いに乗せられて気づいたら買ってて、 しばらくDR-DOS使ってたよ。

さて、時は1992年

Windowsはまだ16-bitの3.xの時代。 ちょうどアメリカでVisual Basic 1.0(これがまたちょっとした衝撃だった)が出た翌年。 私は「某言語でVisual Basicみたいのを作ろう」というプロジェクトに配属されました。 当時のWindows開発環境は、コマンドラインベースのMicrosoft C 6.0 + Windows SDK。 デバッガ(Code View)はこんな感じ。 (Microsoftのフォーラムの質問にCode Viewの画面イメージがあったので引用)

Code Viewの画面

せっかくWindowsがGUIを導入したのに、開発環境はキャラクタベースです。 ついでに言うと、会社支給のパソコンはFMRという独自規格。 それに富士通が出しているFMR用のDOSとWindowsとWindows SDKを入れて頑張るわけです。 (ちなみに、富士通の「DOS/V機」であるFMVは翌年秋の発売でした)

そんな中、 このプロジェクトが調査用に購入していたソフトウェアの中にQuick C for Windowsがあって、 これを動かしてみて私は衝撃を受けました。 フルGUIだし、「統合」されていて、ビルドからデバッグまでその上ですべてできる。 Windowsが普及し始めたころで、当時はWebとかもまだ広がってないためググるわけにもいかず、 Petzold本とかを頼りにプログラムを書いて色々挙動を確認するんですが、 この「ちょっと書いて動かしてデバッガで状況を見る」ということがGUI上で一目瞭然にストレスなくがんがん回せる。 生産性、という言葉では気が済まない、なにかパラダイムシフトのようなものが頭の中で起こりました。 目から鱗。

巧みな操作で計算機リソースを効率的に使う、 というのがスマートだと思っていました(まわりの達人的な人はほとんど共用ワークステーションとかにぶら下がってたし)。 しかし、考えたらこれは「パーソナル」なコンピュータなので、 CPUを自分の都合のためにぶん回すのは大正義である、 いや、自分が仕事を遂行するためにぶんぶんぶん回すべきである。 能天気にカーソルキー押しっぱなしてスクロールするのはCPUを無駄に使う頭悪そうなやり方だけど、 それで簡単に目的の場所に行けるならいいじゃないか。 「パーソナル」用機械を好きに使ってさっさと仕事しろよ、ということに思い至ったのでした。

人によってはVisual Basicが目から鱗だったりするようですが、 私はQuick C for Windowsだったなあ(いやまあ、Visual Basicも凄かったけど)。

ということで、 同じく調査用に海外から購入してたGateway 2000のマシン(鉄の筐体、純白の4DX2-66V)を占有し、 DOS/VとWindowsを入れ、Quick Cでごりごりプログラムを書いていました。

そんなこんなしているうちに

アメリカでVisual C++ 1.0が出ました。 「むっちゃ欲しい」と思うわけです。 IDEも進化しているみたいだし、CもC++になっているし。 でも日本では発売していない。

で、とある日曜日にOAナガシマに行ったら、 なんということでしょう。 置いてあるんですね。 でかい箱がでーんと置いてある。 おっさん、どこからモノを引っ張ってきたんだと思いました。 しかも、US価格から想定した値段よりかなり安い。 バッタもんじゃなかろうかとも疑ってまじまじと見てみましたが、どう見ても本物。 結局買いました。 両手でないと持てない大きさで、重かった。 開けてみると、中にはみっしりとWindows APIのマニュアルが入ってた。

当時の写真を探したら、箱が写っているものが一枚ありました。 あまりに部屋が乱雑で全景を出すのはアレなので、一部切り出しますが、箱の奥行をお察しください。

Visual C++の箱

探してみたら、フロッピーディスクまだありましたよ。

Visual C++のインストールフロッピーディスク

安かった理由は謎です。 仕入れ経路で誰か何か間違えてたか。 実はアップグレード版か何かだったりして。

ともかく、 Visual C++というアイテムを手に入れた私は絶好調でぶいぶいいわせながら開発したのでした。 当時まだ私物ソフトの使用禁止とかルール化される前でしたね。 まあ、仕上げには会社設備のMSCでコンパイルするようにはしてたけど。

その後

Visual C++はVisual Basicと統合されてVisual Studioになりました。

一方、 OAナガシマの方は、どんどん店が増えていきました。 本店は沢田から今ある大諏訪に移り、 ZOAという名前で静岡県以外にも店を出すようになりました。 今の正式な社名は「株式会社ZOA」のようですね。 その頃にはもうおっさんを店頭で見ることはなくなりました。 そういえば、Windows 2000の発表時には、 マイクロソフトの発表資料に他のメーカーやショップに並んで、 おっさんのコメントが載っていたなあ。 今検索して探し出したプレスリリースには社名しか出ていないけど、 当時のリリースではこのコメントがおっさんの名前入りで出てて、Webニュース経由で見てのけぞった記憶がある。

そして、一、二年前、 店の営業時間を確認するためにOAナガシマのサイトを見に行って、 間違って「会社概要」を開いてしまったら、 代表者の名前がおっさんじゃなくなっていました。 引退したのかな、とも思ったのですが、 気になったのでIRを見てみたら、 2013年の夏におっさんが亡くなったとの知らせが出ていました。

昔の沢田の店も、 去年更地になり、 ポルシェの店になりました。

その頃(もう四半世紀前)からすると、 PCをめぐる状況も、 OSやソフトや開発環境のあり方もずいぶん変わりました。 一方、その頃作っていたそのソフトは、 幸運にも気に入ってくれた人が結構おり、 バージョンを重ね、 まだ稼働しているものもあります。 ソフトウェアが世に出るのはいろんな人の仕事やら偶然やらが積み重なった結果なのですが、 あのソフトには「おっさんがVisual C++をどっかから引っ張ってきてくれた」という要素も入っているのです。

ということで、 おっさんのご冥福をお祈りします。 と同時に、Visual Studio 20周年おめでとうございます。

2017年3月 4日 (土)

SourceTreeでGit LSFを使うには

【要約】「リポジトリ」-「Git LFS」メニュー

分かれば簡単だけど、しばらく迷ってうろうろしたので覚え書き。

SourceTreeはGit LFSに対応していると聞いたのに、 どうやればリポジトリの扱いをGit LFSモードにできるのかが分かりませんでした。 「リポジトリ設定」の画面にも設定ないし。 ヘルプとか検索かけても出てこないし。

が、まあ、気づけば簡単で、 メニューに「リポジトリ」-「Git LFS」という項目がありました。 そのサブメニューの「Initialize Repository」から始めれば、 あとはだいたい見当ついた。

それだけ。

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