« Microsoft Cognitive ServicesのEmotion APIを使ってみた (使って色々思いを馳せた編) | トップページ | ココログの「スマートフォン表示」に無理矢理スタイルを設定してみた »

2016年4月17日 (日)

我が家におけるWindows Home Server興亡記

この4月12日でWindows Home Server 2011のサポートが終了しました。 この製品ラインは後続バージョンが出ていませんので、 これで終息ということになります。 公式には、移行先はWindows Server Essentialsということになるのかな。 Windows Server Essentialsを「家庭用」に直接使うのはちょっときついけど。

で、まあ、 「あー」と遠い目などしていたところ、 以下のツイートが。

> マイクロソフトの絵本「ママ、なぜおうちにサーバーがあるの?」

なにこの絵本…?!Σ(・□・;)
最近はマイクロソフトはクラウドに力を入れてるから、この絵本は古い内容になだていそう。

https://t.co/hzfgbZMsjR

ちょまど@MS入社しました (@chomado) 2016年4月15日

最近の若い人はもう知らないかねえ(よぼよぼ)、 という気分なのですが、 折しも熊本の地震の様子を見つつ、 阪神淡路大震災や東日本大震災のことを思い出したりして、 たいした話で無くとも体験したことはどっかに書き残す方がいいのかなあ、 という気になったので、 書いてみます。

Windows Home Serverとは

Windows Home Server(WHS)はMicrosoftが提供していた家庭/SOHO向けのサーバーOSです。 USでのリリース時期は以下の通り。

  • 初代(Windows Server 2003 R2ベース): 2007年夏
  • 2011(Windows Server 2008 R2ベース): 2011年春

USでは、HPが最初の頃からWHSマシンを出してました。 コンパクト(当時基準)なマシンがテーブルの端とかにのっかっているイメージ写真を見て、 「おおっ」などと思ったわけです。 今HPのサイトを探してもその写真はもう無いようなので、 検索したところ、 「そうそう、そんな感じ」という写真を見つけました。

HP EX470が本棚に置かれている写真

誰の写真だろうと思ったら、Scott Hanselmanじゃないですか。 2007年12月8日のBlog

主な機能は、

  • ファイルサーバー
  • クライアントPCからの自動バックアップ
  • リモートからの家庭内ネットワークに対する窓口

ですかね。

例によってなかなか日本に来てくれなかった

で、発表直後から「これ欲しいなあ」と思っていたのですが、 なかなか日本語版が出る気配が見えず、 じりじりしていました。 一時は英語版でシステム組もうかと検討していました。 なんでそうしなかったんだっけな。 なにか理由があったような気がしたけど、忘れた。 ともかく、日本語版が発売されたのは一年あまり後の2008年の8月30日でした。

この前後の期間、 マイクロソフトでWHSを担当していたのは林憲一さんという方でした。 その当時のマイクロソフトのカンファレンスや展示会でWHSを説明してらして、 私もそういう場で話を聞き、 冒頭のツイートの「ママ、どうしておうちにサーバーがあるの?」日本語版冊子をもらいました。 今でもどこかにあるはず。 私的にはこの冊子は結構うけたんですけど、 家に帰って妻に見せたら「意味わかんない」的な反応をされました。 まあ、その妻もその後WHSを(本人はあまり意識すること無く)使うことになるわけですが。

林さんは、 最近GPU関係でお名前を見かけたような気がするな、 と思って検索したら、 今はNVIDIAの偉い人っぽい。

日本語版WHSリリースに合わせて、 いくつかのメーカーがマシンを発表したのですが、 ほとんどのモデルのCPUがAtomでした。 ちょうどAtomの出始めというタイミングのせいだったのでしょうが、 私は省電力性よりも動画とかを家庭内に配信できるサーバーが欲しかったので、 なんか思てたんと違うなあ、と。

というわけで、自力でサーバーを組む

というわけで、 サーバーを組み立てることにしました。

各社の使えそうなマシンを物色したところ、 日本HPの法人向け直販サイトがProLiant ML110 G5を キャンペーン価格(2万円くらい)で販売していたので、それを購入。 別途ハードディスクとWHSのDSP版を買い、 ホームサーバーを組み立てました。

インストールとかで苦労した記憶はないなあ。 覚えていないだけかも。

ProLiantは一般的なタワー型筐体なので、 先にあげた写真のようにコンパクトにはなりませんが、 まあ、仕方ないね。 あと、 サーバー用マシンにはよくあることですが、 起動直後しばらくの間ファンが全力で回り、 かなり騒がしくなります。 Windows Updateの日とか、 真夜中に自動的に再起動がかかり、 マシンが突然唸りだしてびっくりする。

使ってみて

うちではWHSをクライアントPCの自動バックアップと ファイルサーバ(メディアサーバーを兼ねる)目的で使っていました。

PCのバックアップは便利だったなあ。 各PCにエージェントを仕込んでおくと、 毎日夜中に自動的にスリープを解除してバックアップを行います。 バックアップは毎日取りますが、 日ごとのもの月ごとのものそれぞれに保存する世代数を指定します。 デイリー過去3日分、マンスリー過去6ヶ月分、とか。 古くなった世代は自動的に削除されます。

まあ、 バックアップツール購入して頑張って設定すれば同様のことはできると思いますが、 PCにエージェントインストールするだけで、 あとはほぼよきに計らってくれ、 操作が必要な場合も直感的にわかりやすいGUIでできるので、 家庭内(特に家族共用マシン)ではありがたかったです。

HDD故障時の入れ替えも、 不調のHDDをWHS上で切り離し、引っこ抜いて、新しいのをがっこんと突っ込み、WHSに追加するだけです。 いや、こう書くとふつうのサーバーのメンテと同じにしか見えないけど、 細かい確認とか設定とか不要で、 ボタン二つ三つ押すだけでなんとかしてくれます。 これ、RAIDではなく、Drive Extenderという技術でした。 コンシューマー向けにはRAIDは適さないという考えだったようです。

WHSはアドインで機能拡張できますが、 うちではServiio(メディアサーバー)ぐらいしか入れてなかったな。

日本でWHSを使っている方も多くいたようで、 何か問題があっても検索すれば日本語で情報を得られることがほとんどでした。 特にお世話になったのが、 薩摩藩中仙道蕨宿の人のサイトで、 必要な情報は大体ここからたどることができました。 ありがとうございました。 ちょうど「Windows Home Server 2011サポート終了。さようならWindows Home Server 」というエントリを書かれていますね。

終焉

というわけで、 我が家では5年以上にわたり便利にWHSを使い続けていました。 しかし、 WHS 2011のリリースが遅れ、 WHS 2011からDrive Extender機能が落とされることになり、 なにか微妙な雲行きを感じる中、 2012年7月のWindows Server 2012のエディション発表時に、 以降WHSの提供が無いことが明らかになりました。 つまり、WHS 2011でWHSはおしまい。

その一方、 初代WHSのサポート終了が2013年1月8日にせまり、 うちでも今後どうするか考えなければならなくなりました。 WHS 2011への移行も考えましたが、以下の点から断念。

  • WHS 2011はx64のみの提供で現行のハードで動かせないこと。
  • Drive Extender機能が無くなり、HDD障害に対する考え方を考え直さなければならないこと。
  • 移行したとしても、その後は無いしなあ。

結局、 サポート切れの後もしばらくしつこく初代WHSを使っていましたが、 一台のHDDが不調になった2014年5月にQNAPへ移行しました。

ハード(ProLiant)は予備としてしばらく残していましたが、 先日、PCリサイクルに出しました。 法人向け機種だったので無料リサイクルの対象外でした。 PCを無料で引き取ってくれるところもありますが、 何かこう、最後まで手続きして終わらせたい気分になってたので、 リサイクル代を払ってHPにマシンを返送しました。

今後

今の見通しでは、 ホームサーバー的な機能はクラウドから直接提供されるようになるだろう、 ということになるのかな。 面倒見なければならないデバイスは、 モバイルの比率が高くなりそうだし。

QNAPに移行する際も、 全面的にクラウドストレージを使うことを考えましたが、 結局動画とPCバックアップデータのサイズがネックになり、 あきらめました。 写真ならば容量無制限に保存できるサービスがあったりしますが、 動画とかはさすがにねえ。 じゃあ、テラバイト級のクラウドストレージを自力で確保するか、 と考えるとまだそれなりの料金がかかるし。

で、QNAPにしてよかったかと言えば、 ファイルサーバーとしては十分ですが、 PCのバックアップはWHSほどお手軽で無いので、 「確実にバックアップとる度」は低下しています。 まあ、これはQNAPのせいではなく、 わたくしの心がけの問題ではあるのですが。

そんなこんなで、 家庭LAN内の面倒をうまいことみてくれつつ、 背後のクラウドとええ感じで同期してくれるようなサーバーがいてほしいのです。 今時の家庭/SOHO向けのNASはそういう部分にも対応しつつありますが、 Windowsの面倒を特に丁寧に見てくれるわけでもないので、 WHSが続いていてくれてたらなあ、などと思うのでした。

« Microsoft Cognitive ServicesのEmotion APIを使ってみた (使って色々思いを馳せた編) | トップページ | ココログの「スマートフォン表示」に無理矢理スタイルを設定してみた »

Windows」カテゴリの記事

思い出」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/595179/63499351

この記事へのトラックバック一覧です: 我が家におけるWindows Home Server興亡記:

« Microsoft Cognitive ServicesのEmotion APIを使ってみた (使って色々思いを馳せた編) | トップページ | ココログの「スマートフォン表示」に無理矢理スタイルを設定してみた »